筆者の友人の話である.彼はかつて米国にいるときに自動車の運転免許を取得したが,そのとき「周りの車が制限速度以上で流れているときは流れに乗って制限速度以上で走ってもよいか」という試験問題があったという.正解は「よい」であるが,彼は「よくない」と答えたという.これはかなり昔のことであって現在はどうなっているか筆者は寡聞にして知らない.
彼の話は,自動運転車と非自動運転車の混合交通の問題を示唆している.自動運転車が交通規則を遵守するようにプログラムされていると,実際の交通流に即した運転ができないために,自動運転車が事故や渋滞の原因になる可能性がある.グーグルの自動運転車は公道での走行時に何回か後続車に追突されているのがその典型である.その原因は,黄信号で停止しようとしたグーグル車と黄信号で交差点を通過しようとした非自動運転車の判断の違いにあったのだろう.
自動運転車と非自動運転車の交通流だけでなく,将来出現するかもしれないすべての自動車が自動運転車になったときの交通流にも,同様の問題が存在する.歩行者や自転車などが存在する市街路の交通流で,自動運転車間に認知,判断,操作のアルゴリズムに違いがあれば,事故の原因になり得る.高速道路で走行速度や加減速度の差があれば,渋滞の原因になり得る.
近い将来でもアルゴリズムが同一でないことに起因する問題が発生するかもしれない.すでにACCが多くの自動車会社で商品化されているが,各社,各車のACCアルゴリズムは必ずしも同一ではない.ACCで走行する車が増えると,各車のアルゴリズムの差異が交通流を乱す可能性がある.
将来,自動運転車が普及すると,すべての自動運転車は同一のアルゴリズム,同一の性能で認知,判断,操作を行うことになるかもしれない.そうなると各メーカ間の違いがなくなるかもしれないが,ドライバや社会はこれを受容するだろうか.
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