プロジェクト成功の秘訣


社内プロジェクト成功の鍵


仕事の成果


 イノベーターの能力は、「技術とビジネスのエキスパートとしての仕事の成果」で評価されます。

 

 仕事の成果は、各自の総合的な能力、すなわち「体力×気力×知力」が左右します。体力は加齢と共に劣化しますが、気力はやりがいのある業務に従事することで年齢に無関係に向上します。知力は、日々の努力と社会経験の積み重ねで向上します。


適材適所


 企業のイノベーションプロジェクトは、一般に20代から40代のイノベーターで構成されます。一般に、20代の若手イノベーター達の特徴は、体力>気力>知力であり、実務経験を重ねるにつれて、40代には知力>気力>体力中堅イノベーターへ成長していきます。

 プロジェクトのプロジェクトの成功は、個々の能力を考慮した適材適所のメンバー配置がポイントの一つになります。

 


ひらめき場:若手イノベーター


 「Only One No. 1」の新商品は、知力を発揮し「生みの苦しみ」を克服したイノベーターの日々の努力の成果です。新商品に欠かせない他社商品との差別化は、個々のイノベーターの知力発揮による独創的なひらめき(アイデア)に起因します。常日頃から24時間いつも必死に考えていないと「良いひらめき」は生まれません。技術のスペシャリストを目指す若手イノベーターの活躍が期待されます。


マーケットインプロダクトアウト:中堅イノベーター


 新商品がヒット商品として事業拡大に貢献するためには、イノベーションプロジェクトのスタート段階から、ビジネスの原則であるMarket In Product Outに立脚した活動が必要となります。イノベーターは、顧客ニーズにマッチした新商品創出を目標に、顧客ニーズを的確に把握するために将来の想定顧客に自分のアイデアをアピールしてその反応を確かめます。その際、お客様の関心がどこにあるか瞬時に見極めるプロモーション能力が求められます。技術だけではなくビジネスマインドの高い中堅イノベーターの活躍が期待されます。

 


リーダーシップ


  現役イノベーターのあるべき姿は、日々知力を磨きプロジェクト目標を達成し、新たなプロジェクトにより責任あるリーダーの立場で挑戦するプラスのスパイラルを上り詰めていくことです。

 プロジェクトリーダーは、リーダーシップを発揮して成果を出すことに全力を尽くさなければなりません。有限な社内リソース(ヒト、モノ、金)と時間の克服がプロジェクト成功の秘訣となります。

  プロジェクトの優先度をどのレベルに設定するかの経営判断が、社内リソース割り当てに影響を及ぼします。新商品創出は、将来への投資であり企業には大きなコスト負担となります。プロジェクトリーダーは、社内優先度を上げるためには、経営陣や社内関連部署とのネゴシエーションが必要となり膨大な時間が割かなければなりません。プロジェクトメンバーの現役イノベーター達に、自分の担当業務に集中してもらうためにも必須の業務となります。プロジェクトリーダーの社内ネゴシエーションの失敗は、プロジェクト中止を招きます。


不測の事態への対処


突然のプロジェクト中止


 現役イノベーターも一つのプロジェクトだけに技術とビジネスのスペシャリストとして長期間従事するのは非常に困難な時代となってきています。企業には、経営判断に基づくプロジェクトの優先順位の見直し、職務内容変更等があります。また、近年は盛んに企業の経営統合、合併と買収(M&A: Merger and Acquisition)等が繰り広げられています。

 

 大きな成果を出していると自負しているイノベーターでも、不本意ながらも組織決定に逆らうことはできません。同一企業に留まるには、新規プロジェクトに参加し全力で新たな成果を出すことが求められます。現時点で40代前半ならば特に問題は無いと思えますが、既に50代で15年後に65歳の定年を迎える方は、ビジネスのスペシャリストとして新プロジェクト参加は可能ですが残念ながら技術のスペシャリストの道から遠ざかることになります。


速やかに成果を出す


 会社にとってもプロジェクトメンバーの一人である現役イノベーターにとっても、速やかに成果を出すことが最大のメリットとなります。そのためには、オープンイノベーションをどう進めるかがポイントとなります。

 

 かつての自分と同様に、技術課題に直面し納期は迫るが自分一人ではブレークスルーできなくて苦悩している現役イノベーターがたくさんいると推測します。そんな時には、退職エキスパートを含む外部のエキスパートの知識資産を利活用すれば早期解決の可能性が高まることが期待できます。