人間は、各自の目標達成に向けて活動します。活動は、目標値からずれを最小限に抑えることが必要不可欠であり、基本的には「認知」と「判断」と「行動」の3つの段階に大別できます。具体的には、第1段階の「認知」では、自分を取り巻く周辺環境の認識を行います。第2段階の「判断」では、第1段階の認識結果を基に自分の次にとるべき行動を決定します。第3段階の「行動」では、第2段階で決定した行動を自分の手、足等の身体を利活用して実行します。
一例として、運転時のドライバーが安全運転を行う際の目標達成行動を下図に示します。尚、第3段階では、車の運転時の基本動作である走る、止まる、曲がるを司るメカニズムを想定して「行動」を「操作」としています。
生成AIは、テキストや画像等のコンテンツ作成を担い、それが自分の視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚等の5感の検知限界を超えて今まで体験したことも無く自分の記憶の範囲外に及ぶ新情報であればあるほど自分の認知性能の向上に有効です。
しかしながら、個々のユーザとAIの対話を元をAIがコンテンツを生成するため、生成されたコンテンツはユーザの問合せの範囲内であり、また複数のユーザや他の生成Aiとの連携ができません。
生成AIが普及するにつれて、人間の基本行動の認知段階での有効性が広く認められてきました。最近は、目標達成行動の「判断」や「操作」の段階までの拡張として、計画し実行支援するエージェント(Agent)AIの可能性検討が積極的に実施されています。
エージェントは、法律上は本人から委任あるいは授権された代理権限の範囲内で本人に代わって取引・契約などの行為を実施する者と規定されています。目標達成行動の最終結果には、第2段階である「判断」が大きく影響します。最終結果に繋がる全ての判断は、たとえエージェントAIを利用した場合でも、原則的には本人の自己責任となります。
エージェントAIの今後の普及には、行動判断に関わる瞬時性が鍵となります。単に将来の実施目標を達成するために時間をかけて綿密に計画立案するだけなら、旅行計画のように人間が自分でやった方がエンジョイできます。
想定外の突発的なインシデントが発生した際に、使えるエージェントAIであるべきです。そのためには、生成AIの高度な認知機能を活用するだけではなく、周囲の他のシステムとの連携により的確に状況を判断し実行することが必須となります。
2026年4月19日に北京市内で開催されたハーフマラソン大会で、中国製ヒト型ロボットが50分26秒で完走し、人間の男子世界記録(57分20秒)を上回る快挙を成し遂げました。
ヒト型ロボットは、人間の目標達成行動と同様に、「認識」と「判断」と「操作」の3つの基本機能が備えられ自律的に行動します。
今後も、ロボットの達成目標レベルは高くなるが、その目標達成に必要となる3つの基本機能に係る各々の要求QoS(Quality oof Service)を満足することが必須となります。
将来的には、自動運転のようにリアルタイム性が求められるアプリケーションでは、各機能の要求QoSを満足すると同時に目標値からのズレを最小限にするためのフィードバック(Feedback)制御ループをシステマティックに構成することが必要不可欠となります。
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