2016年5月7日 省エネルギー・地球温暖化ガス削減・安全 走行方法の提案 渡邉雅弘
自動車は駆動源からの駆動力で駆動輪を駆動して走行する。
現状の自動車は、例えば、ガソリンエンジン・ディーゼルエンジン等の「駆動源の駆動力発生効率を上げる」こと、あるいはモーターのように「駆動力発生効率の良い駆動源を使用する」こと、によって省エネルギー化を行っている。
しかし上記方法では走行時駆動源の駆動力発生効率は向上するが、走行時だけではなく自動車の製造から廃棄までのトータルな自動車利用を考えた場合、モーターのように駆動力発生効率の良い駆動源を使用する方法は必ずしも現状の自動車と比べてエコであるとは言いきれない。
一方、駆動源による駆動力発生の結果としての駆動輪駆動エネルギーは「走行抵抗に打ち勝っての車両走行エネルギー」、および「走行中車両の有する運動エネルギー」となる。
ここで「走行抵抗に打ち勝っての車両走行エネルギー」の削減は、車両の走行抵抗の削減、即ち車両重量の低減、空気抵抗係数の低減等によって可能であり、この取り組みは各自動車メーカ、関連部品メーカ等によって精力的に行われている。
しかし「走行中の車両の有する運動エネルギー」の車両走行への有効利用は、減速時一部回生されてその後の走行に活かされてはいるがその効率は低く、運動エネルギーの殆どは制動による熱エネルギーとして大気中に放散されているのが現状である。
この運動エネルギーを効率的に走行に活かすことができれば有効なエコ化手段となる。
即ち駆動輪-駆動源間の接続を遮断(あるいは疎に)して、走行中の車両の有している運動エネルギーを駆動輪経由有効に車両駆動に活かす、言い換えれば「駆動源を運動エネルギーの駆動輪負荷としない走行」(惰性走行)を行う、のである。
これによって、例えば平坦路を60km/hで走行中の車両は惰性走行移行による30km/hまでの減速走行によって(その車両の走行抵抗にも依るが)平均的には400m以上の惰性走行即ち「駆動源による駆動輪駆動無しの走行」が可能となる。
従って、走行中の減速頻度が高ければ高いほど運動エネルギー損失が増加する従来の走行と反対に、惰性走行による停止に向けての減速は、その頻度が高ければ高いほど、省エネルギー効果は高くなり、我が国の都市部の如く交差点の多い道路走行においては、有効な省エネルギー減速走行となる。
しかしこの減速時の惰性走行には大きな欠点がある。それは減速・停止に際しての走行距離が長大化することである。
車両の有している運動エネルギーを制動によって熱エネルギーとして大気中に放散する制動走行に比べて、上記惰性走行による減速走行では、20倍以上の減速走行距離が必要になる。
この問題の具体的解決方法が本提案の主題である。
車両の目標停止点上流、例えば400m地点、から目標停止点までの間を「減速走行領域」とし、この間の走行を、基本的には惰性走行によって行う。(惰性走行に余る運動エネルギー分は定速走行および制動走行によって消費する、したがって減速走行領域内を目標停止点に向かう走行は原則として加速走行は行わない。)
米国においては、2022年までに米国で販売される自動車全車種に衝突事故回避の自動ブレーキ搭載車とする、とのことである。
一方、警察庁交通局による交通事故データによると、我が国交通事故の50%以上が交差点およびその周辺で起きており、その類型別事故発生割合の約90%が車両相互事故であるとのことである。
従って、我が国おいては衝突事故に関して米国と同様の対策を行うまでもなく、交差点周辺の、特に交差点に向かう、全車両に減速走行させることによって、事故の発生およびその損害レベルの大半を削減することが可能と推測される。
これに加えて上記「減速走行領域」の設定・走行は車両の省エネルギー・地球温暖化ガス削減走行も可能となる。
即ち、市街地走行において、平均交差点間距離1000m、走行中交差点青信号の確率(即ち無停止で交差点を通過する割合)を50%、とすると、本提案による市街地走行の省エネルギー効果・地球温暖化ガス削減効果は20%以上となる。
上記減速走行領域の設定、およびドライバーあるいは車両への通報は
・道路面上にマーキングを行う、
・路側あるいは路上に標識を設ける、
・路側に設けた路車間通信路側装置から車両側の路車間通信車側装置に通報する、
・車載したカーナビゲーション装置の有する地図データベース内に減速走行領域情報を持たせる、
・車載したカーナビゲーション装置内で車両の走行状態に対応して惰性走行可能距離等の減速走行領域情報を算出させる、
等により比較的容易に可能である。
また、惰性走行は、
・ドライバーの手動操作により実行する、
・減速走行領域内侵入に対応して車両側で自動的に実行する、
ことで可能である。
さらにこの減速走行領域内の惰性走行を主体とした減速走行は、ガソリンエンジン車、ディーゼルエンジン車、はもとよりハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車等の各種車両においてもその効果を生かすことができる。
特にハイブリッド車両、電気自動車等現状運動エネルギーの一部回生のための機能を有している車両においては、その回生機能が削除可能となるのみならず、省エネルギー・地球温暖化ガス削減効果のさらなる向上が可能となる。
また市街地走行を主体とする電気自動車においては上記の如き省エネルギー効果によって、大容量バッテリー容量を削減できることから、コストダウン・軽量化をも実現でき、その普及に大きく貢献することが可能となる。
さらに本提案による減速走行方法は、自動運転車に採用することによって、自動運転車の本来の目的である「ドライバーの運転負荷の軽減・安全走行化」だけでなく、省エネルギー・地球温暖化ガス削減も、その基本的・共通的な目的に加えることができ有効である。
以上整理すると、
目標停止点(交差点)上流一定距離の地点から目標停止点までの間を減速走行領域に設定(目標停止点設定は必ずしも公的に設定する必要はなく、自動車側が個別に設定しても相応の効果は得られる)し、その領域内の目標停止点に向けての走行を惰性走行主体で行うことによって、あらゆる車両に対して容易に省エネルギー・地球温暖化ガス削減・安全走行の実現が、インフラ整備あるいは車両側の機能向上のための費用等を含めても、比較的簡易かつ安価に可能となる。
従って、本方法実現は我が国に限定されるものではなく、自動車への有効な地球温暖化対策の先例として広く世界各国にその普及を呼びかけることが可能な方法であると言える。
管理番号:20160001
名称 :車両走行速度制御方法(MW048)
特許出願日:2008年2月26日
特許番号 :特許第4518569号
出願人 :渡邉雅弘
特許権者 :渡邉雅弘
特許要約
目的
交差点上流特定地点から交差点に向けて走行し、交差点を青信号・無停止で通過する「交差点無停止走行制御システム(あるいは信号同期速度制御システム)」において、交差点上流特定地点(速度制御開始地点)での急激な速度変化を軽減するとともに、特定地点から交差点への走行の運動エネルギー利用を効率化する。
技術概要
車両の特定地点通過時、交差点を青信号無停止で通過するための交差点到着予定時刻を算出し、現車両走行速度から等加速度(あるいは等減速度)走行で前記交差点到着時刻に車両が交差点に到着するための加速度(あるいは減速度)を算出し、前記算出された加速度(あるいは減速度)で特定地点から交差点に向けて走行する。
効果
・特定地点での急激な速度変化を軽減すること、および交差点に向けての走行を等加速走行化/等減速走行化することによって、車両の走行安全化、およびエネルギー消費量・排出ガス量低減、が可能となる。
・特に自動運転車用省エネルギー減速走行制御方法として有効である。
適用製品
・交差点無停止走行制御システム(信号同期速度制御システム)を適用される車両全般、およびそれらの車載端末、カーナビゲーション装置、スマートフォン用カーナビアプリ等
管理番号:20160002
名称 :車両走行制御方法(MW057)
特許出願日:2008年9月10日
特許番号 :特許第4646334号
出願人 :渡邉雅弘
特許権者 :渡邉雅弘
特許要約
目的
走行中の車両の有している運動エネルギーを減速走行に活かすことによって、交差点無停止走行制御システム(信号同期速度制御システム)の一層の省エネルギー化を図る。
技術概要
現時刻、現時点での車両速度、車両現在位置から交差点等の目標地点までの距離、および目標地点への車両到着予定時刻から、現地点からの惰性走行による車両到着予定時刻での目標地点到着可否を判定し、到着可であれば惰性走行に移行し、到着不可であれば現走行を一定時間継続した後再度前記判定を行う。
前記処理・判定を、到着可となるまで行うことによって、惰性走行による目標地点到着を可能にする。
効果
交差点無停止走行制御システム(信号同期速度制御システム)において、車両の交差点通過を運動エネルギー利用効率の高い惰性走行で行うことによって、減速走行時のエネルギー消費量・排出ガス量の一層の低減が可能となる。
適用製品
・交差点無停止走行制御システム(信号同期速度制御システム)を適用される車両全般、およびそれらの車載端末、カーナビゲーション装置、スマートフォン用カーナビアプリ等。
管理番号:20160003
名称 :通信型カーナビゲーションシステム(MW062)
特許出願日:2009年1月23日
特許番号 :特許第4979026号
出願人 :渡邉雅弘
特許権者 :渡邉雅弘
特許要約
目的
カーナビゲーションシステムに安全走行支援機能、省エネルギー走行支援機能を付加する。
技術概要
システムをセンター装置と車載端末装置から構成し、センター装置にはあらかじめ道路情報等の車両環境情報および車両か
ら送られる車両情報、ドライバー情報、を記憶させ、周期的に車両から送信される車両走行状態情報と、前記センター装置
が有している各種情報を対比・演算して車両の安全走行・省エネルギー走行に関する不整合・未対応状態を検知し、それら
情報をセンター装置から車両に送信する。
効果
・車両は、現走行状態に関するセンター装置側からの安全走行・省エネ走行に関する不整合情報・未対応情報をリアルタ
イムで獲得・対応することによって、一層の安全・省エネルギー走行が可能となる。
・カーナビゲーションシステムの付加価値向上
適用製品
・カーナビゲーションシステム車載端末、スマートフォン等のカーナビアプリ、
・カーナビゲーションシステムセンター装置
管理番号:20160004
名称 :車両走行制御方法(MW065)
特許出願日:2009年6月25日
特許番号 :特許第4716340号
出願人 :渡邉雅弘
特許権者 :渡邉雅弘
特許要約
目的
追従走行・渋滞走行の安全かつ省エネルギー・低排出ガス化の実現。
技術概要
自車-前方車両間に前方車両走行速度に対応した追従走行領域を設定し、自車は惰性走行によって追従走行領域内に到達
後は、追従走行領域内での緩加速度走行と惰性走行の繰り返しによって(自車の有する運動エネルギーの摩擦制動による
浪費を最小限に抑えての)前方車両に対する安全かつ省エネルギー・低排出ガス量の追従走行を行う。
効果
前方車両走行速度に対応して設定した追従走行領域内での緩加速度走行と惰性走行の繰り返しによる追従走行によって、安全かつ省エネルギー・低排出ガス走行が可能となる。
適用製品
・自動車全般
管理番号:20160005
名称 :車両走行制御方法(MW068)
特許出願日:2009年8月27日
特許番号 :特許第4793886号
出願人 :渡邉雅弘
特許権者 :渡邉雅弘
特許要約
目的
走行中の車両の有する運動エネルギーを効率的に車両の減速走行に活かす減速走行制御方法(惰性走行制御方法)の提案
技術概要
車両走行中継続的に車両の惰性走行減速度および現地点-目標停止点間距離を計測・算出し、前記計測・算出された惰性走行減速度での惰性走行で現地点-目標停止点間距離走行可能か否かを判定し、可と判定された時点で惰性走行に移行して目標停止点まで惰性走行する。
効果
車両の有する運動エネルギーを最も効率的に利用した減速走行(惰性走行)が可能となる。
適用製品
・自動車全般
・惰性走行減速度の計測・算出、自車現地点-目標停止点間距離の算出、惰性走行での目標停止点への到達可否判定、はカーナビゲーション装置の改良で可能。
管理番号:20160006
名称 :省エネルギー走行車両の走行可能距離およびエネルギー消費量推定方法
(MW086)
特許出願日:2012年8月21日
特許番号 :特許第5419186号
出願人 :渡邉雅弘
特許権者 :渡邉雅弘
特許要約
目的
自動車の保有している残エネルギー量(バッテリー残電力量、ガソリン残量等)での走行可能距離を、簡易にかつ正確に算出する。併せて残エネルギーの走行以外(例えば家庭用電力等)への効率的活用を可能とする。
技術概要
省エネルギー走行中の車両のエネルギー残量El、
標準走行条件での定速走行時の単位走行距離当たりの消費エネルギー量Es、
標準走行条件走行時の走行抵抗Rs、
走行可能距離を推定すべき走行条件下での走行抵抗R、
から、下式により走行可能距離Daを推定する。
Da=El/{(R/Rs)・Es}
効果
惰性走行を主体とする省エネルギー減速走行によって、車両の単位走行距離当たりのエネルギー消費量を近似的に定速走行時のエネルギー消費量とすることができ、残エネルギーによる簡易でかつ比較的正確な走行可能距離推定が可能となる。
また、残エネルギーを走行以外の用途(例えば家庭用エネルギー源)として効率的に活用することができる。
適用製品
・自動車(主として電気自動車、燃料電池車)
管理番号:20160007
名称 :ハイブリッド車両(MW093)
特許出願日:2013年3月23日
特許番号 :特許第5345255号
出願人 :渡邉雅弘
特許権者 :渡邉雅弘
特許要約
目的
車両の有する運動エネルギーを惰性走行および回生制動走行によって時系列的に利用して省エネルギー減速走行を行う。
技術概要
車両の減速走行を、通常走行速度からあらかじめ設定されている回生制動開始速度までの間は惰性走行で、惰性走行速度が前記回生制動開始速度に達した時点から停止までの間は、前記回生制動開始速度から停止までの間の車両運動エネルギー変化量を回収・蓄積するに必要十分な高効率・小容量のエネルギー蓄積能力を有する回生制動装置による回生制動走行で各々行う。
効果
市街地走行時、通常の摩擦制動による減速走行に比べて、20%以上の省エネルギー・低排出ガス走行が可能になると推測される。
適用製品
・自動車全般
・高効率・小容量のエネルギー蓄積能力を有する回生制動装置
・省エネルギー減速走行支援機能を付加したカーナビゲーション装置
管理番号:20160008
名称 :省エネルギー減速走行制御方法(MW094)
特許出願日:2013年3月30日
特許番号 :特許第5382832号
出願人 :渡邉雅弘
特許権者 :渡邉雅弘
特許要約
目的
ガソリン車等の単一駆動源車両において、ハイブリッド車両に勝る省エネルギー・低排出ガス走行を、簡易にかつ高コストパフォーマンスに、実現する。
技術概要
車両の加速走行によって獲得した運動エネルギーを、最大限惰性走行による減速走行に活用する。ただし、惰性走行実施に際しては、暫定惰性走行可能距離を設定し、惰性走行減速度の検知、あるいは惰性走行可能距離の算出、は不要とする。
また、前記暫定惰性走行可能距離は、実惰性走行により学習・更新してその精度向上を図る。
効果
惰性走行減速度あるいは惰性走行可能距離の特定が不要になることによって、また、実惰性走行による学習・更新によって、暫定惰性走行可能距離を高精度化することが可能となり、簡易にかつ正確に最大限の省エネルギー減速走行が可能となる。
適用製品
・自動車全般
・カーナビゲーション装置
管理番号:20160009
名称 :回生制動装置、回生制動装置を搭載した車両の走行制御方法(MW096)
特許出願日:2013年9月4日
特許番号 :特許第5467587号
出願人 :渡邉雅弘
特許権者 :渡邉雅弘
特許要約
目的
高効率・小容量の蓄エネルギー装置を有する回生制動装置を搭載した車両における効果的・効率的減速走行の実現。
技術概要
回生制動による車両の運動エネルギー回生・蓄積用蓄エネルギー装置を有する回生制動装置を搭載した車両において、目標停止点が特定されている場合の現地点‐目標停止点間減速走行を、現地点から目標停止点までの間の減速走行減速度を特定し、前記特定した減速走行減速度が一定になるよう回生制動減速度を制御して等減速度走行を行う。
(惰性走行と回生制動走行の並行的利用による省エネルギー等減速走行)
効果
減速走行時、車両の有する運動エネルギーを惰性走行及び回生制動走行に効率的に生かすことによって、効果的、効率的な省エネルギー・低排出ガス走行が可能となる。
適用製品
・自動車全般
・回生制動装置
・カーナビゲーション装置
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