特許・ノウハウ等の知識資産は、必要は発明の母( Necessity is the mother of invention. )として人類が発明・発見の技術開発を継続する限り永遠に増加します。
新商品開発のためには、現時点での問題点や残存課題を解決する必要があります。その技術的な解決手段として、思いつきや着想や考案等のアイデアが特許やノウハウ等の無形の知識資産として創出されます。日本国内では年間約30万件の特許出願があります。
イノベーション業務で創出した特許は、日々産みの苦しみの反復学習・検討の賜物であり会社にとっても個人にとっても貴重な成果です。公開が原則であり、クラウドネットワーク上の特許庁管轄の情報サーバに保管され誰でも随時閲覧可能となります。一方、ノウハウは原則非公開です。個人の頭の中だけの記録では、「個人記憶の忘却曲線理論」に則り、1日経つと7割近く1週間後には約8割が忘れられてします。ノウハウの資産化には、個人レベルでデータ化し情報サーバで記録・保管することが必須となります。
知識資産創出者は、新商品ビジネスに寄与した知識資産は生涯忘れることはありませんが、ビジネスに繋がらず単なるアイデアで終わってしまった知識資産は、特に退職後にイノベーション業務から離れてしまった場合、その存在さえも忘れ去られ埋没知識資産としてサイバーゴミ化していきます。
企業のイノベーション活動の基本は、無形の知識資産から有形の商品(システム、製品)への視覚化(Visualize)です。人は目に見えないものの価値を評価することは困難であり、知識資産の価値は視覚化された商品の価値にリンクしています。
視覚化された新商品の価格は、市場の「需要と供給」のバランスで決まります。知識資産の価値は、最終的には新商品の売上げにどの程度寄与したかで評価されます。
企業の現役イノベーターは、常に市場の需要を喚起し売上げ増大に繋がる新商品創出を目指しています。その新商品創出イノベーション段階では、知識資産価値は新商品の売上予測に基づき現役イノベーターが決定します。
今後の少子高齢化社会では、知識資産の新規創出と埋没知識資産利活用が企業の持続的成長を支えるポイントの一つとなります。
現役イノベーターから高い評価を得るためには、新規知識資産だけでなく埋没知識資産も、既存商品に無い付加価値を与えエンドユーザーのニーズにマッチした新商品創出に繋がる可能性をアピールすることが必須となります。
特に、新商品ビジネスでは市場展開タイミングが重要です。以前は全く売れなかった商品が突如ヒット商品となるケースが多々あります。そんな時には、埋没知識資産をリサイクルユースすれば、企業の現役イノベーターは効率的かつスピーディーな新商品創出が可能となります。